脂質について調べているけど、そもそも「脂質」ってなに?
脂質って油なの?
いや、そもそも「油」ってなに???
こんな風に「油」の迷路にハマってしまっている人はいませんか?
この迷路は簡単には抜け出せません。
さすが、油の迷路ですね…
そんな人が「油」を理解してから「脂質」の勉強を始められることを願ってこの記事を書きました。
では、早速見ていきましょう。
答え
「油」は「動物、植物の油(脂質)」と「地下資源の油」の2つ
それでは解説していきます。
「油」とは水に溶けず、洗剤などに溶ける物質
「油」とは何か調べてみると、様々な定義があります。
例えば「液体は油、固体は脂」「油とは水にとけず、有機溶媒に溶けるもの」「水と相分離する疎水性の化学物質で…」
確かに間違っていないのですが、なぜか理解しにくい。
理由は、大きな意味で使う「油」と小さな意味で使う「油」が混ざってしまっているからです。
「油」を理解する上で大切なのが、大きな意味を少しずつ小さくしていくことです。
そのために、まず「油」の1番大きな意味を定義します。
「油」と聞くと、何をイメージするでしょうか?
オリーブオイル?サラダ油?ガソリン?それとも、霜降り牛?
さすがですね、全部「油」です。
ではこの「油」はどのように定義できるでしょうか?
水と油という言葉があるように、水には溶けなさそうです。
ですが、食器についた油汚れ、服についた皮脂を溶かす洗剤には溶けますね。
つまり
①水に溶けない
②洗剤などの有機溶媒に溶ける物質
と定義できます。
簡単にですが、まずこの2つを油の定義として次に進みましょう。
「油」は2つに分けられる
先程、定義した油は2つに分けることが出来ます。
「動物、植物由来」と「地下資源由来」です。
動物、植物由来の油は「オリーブオイル、キャノーラ油、バター」、地下資源由来の油は「ガソリン、灯油、機械油」が当てはまります。
実は「動物、植物由来の油」には別名があります。
それは「脂質」です。
ここに来て、やっと「脂質」が登場しました。
いつ「脂質」が話に出てくるのかソワソワしていた方にはご心配お掛けしました。
つまり、
「油」≒「脂質」+「地下資源の油」
ということになります。
よく考えてみれば、ガソリンや灯油のことを脂質とは呼ばないですもんね。
感覚的にも、脂質は食べても大丈夫な油っていうイメージがあります。
ここで、「油」の定義に「動物、植物由来である」を加えて、「脂質」を定義してみると
①水に溶けない
②洗剤などの有機溶媒に溶ける
+
③動物、植物などの生き物由来の物質
となります。
大事なことなのでもう一度
「油」≒「脂質」+「地下資源の油」
です!
まとめ
「油」は
①動物、植物由来(オリーブオイル、バターなど)
②地下資源由来(ガソリンなど)
であり、
①動物、植物由来(オリーブオイル、バターなど)
≒
脂質
つまり
油 ≒ 脂質(動物、植物由来の油)+地下資源の油
ではっ˙ᴥ˙ 🐾
参考文献
油脂の科学 (食物と健康の科学シリーズ)
油脂製品の知識 改訂新版 後藤 直宏 (編集), 日本油化学会ライフサイエンス産業技術部会(著) 幸書房 2018
食用油脂の基礎と劣化防止 中谷明浩著 幸書房 2020
https://www.jstage.jst.go.jp/article/oleoscience/1/1/1_75/_pdf
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B9